名も無きひと

目の前の仕事に埋入する
繰り返しを積み重ね
偶然を受感し
その先に生まれる何か

とても繊細且つ
微細な差異

たったそれだけの果実で
充ち足りる覚悟と
味わえる感受能力を
繰り返し磨く

手仕事の中に

他者の覚悟が見える
祈りが聴こえる
生まれながらにして持ったものと
日常より獲得したもの
ディテールよりマチエールから

身体と精神をともに包んだ
他者という存在を
社会性からで無く一個として
過程を想い
重層する今を縒り分けて

極めてまっとうなやりとりをする

話を聴き
話をする

2016.1.2