Never More

ただそれのみぞと鳴く鳥を
暮れゆく空に見つけては
赤いため息をはきだして
そのあとぐっと呑み下す

果てなくありふれた道をゆく
一歩が小さな境界線をまたぐ

ふいにずらせばまなざしが
赤く歪んだ宙を射る
薄くにじんだ汗が熱を
さましてくれるだろう

果てなくありふれた道をゆく
一歩が小さな境界線をまたぐ

1996