レコードの夜に

子供の頃に読んだ絵本の物語のように
本当のことはそんなに難しくない
単純な物語も読む人にとってそれぞれで
後になっても憶えているなら
胸の内で少しずつ形を変えてきたもの

対話の中でその違いに気が付いた時
そこから何かを導き出せるか
同じところはどう違うのか
違うところはどう同じなのか

ここに来るまで流れた時間は
同じ時代の中で別の場所にあった
どんなに近くに在っても気づかなければ
何万光年も遠くに在るのと同じこと

平行と交差と重複と減算を繰り返しながら
引き継がれていくべき視点を一点に収束させる

また新たな平行と交差が
生まれる余韻を残しながら

2015.12.10